進化を続ける「なでしこ」たち——挑戦と成長の軌跡

サッカー部女子チーム

2025/04/21

アスリート&スポーツ

OVERVIEW

2018年、未公認団体として発足し、2020年度に体育会として活動を開始したサッカー部女子チーム。わずか4年で関東大学女子サッカーリーグ2部昇格、さらに24年度シーズンは2部5位と着実に成長を続ける。どんな状況でも貪欲に戦い続ける強さの裏には、部員たちの数々の苦悩や挫折があった。

新たな景色

喜び合う選手たち

22年度に関東リーグ2部へ戦いの場を移した立教大学サッカー部女子チーム。しかし昇格してからの1年間は苦しい時間が続いた。圧倒的なレベルの差を見せつけられ、強豪校との対戦経験の少なさが課題であることを実感する。10大学が所属し、2回総当たりの計18試合を行うリーグ戦で、シーズン終了時の結果は17敗1分け。最下位で山梨大学との入れ替え戦へ進んだ。負ければ降格が決まる立教は、序盤から積極的に攻め続け先制点を奪う。この1点を守り抜き、首の皮一枚で残留を手にした。試合を迎えることに恐怖心すら抱いていた2年前。当時の悔しさを糧に、23年度は2部リーグ8位と強豪相手に健闘を見せた。

ゴールキックを行う池田幸奈(文4)

「大きく変わらないといけない年」。より強いチームで過去最高の成績を残すべく、主将の池田幸奈(文4)を筆頭に新体制をスタートさせた。スローガンとして掲げたのは「共創」。チーム設立時から大切にしてきた結束力を生かし、新たな歴史を創るという意味が込められている。過去最多10人の新入生が加わり迎えた24年度は、連携の取れた攻撃と安定した守備を武器に8勝4敗6分けと順調に勝ち点を重ねた。最終順位は創部史上初の5位。これまで多くの困難に直面しながらも、最後まで戦い抜いた池田は「思い描いていた結果に近づくことができ、とても良いシーズンになった」と自身のラストイヤーを振り返った。

困難を乗り越えて

前線へパスを送る河合野乃子(コ4)

目標としていた関東リーグ上位入りを達成するなど、大きな躍進を遂げた今季。成長の鍵となったのは、群を抜く組織力だった。

経験者だけでなく、初心者も一緒にサッカーを楽しめることを目標に設立された女子チーム。活動していく中で技術力やモチベーションの差を体感することも少なくなかった。特に今年度はクラブチーム出身の選手も増え、経験値やレベルの違いが顕著に現れる。全員が同じ目標に向かって努力し続けることの大変さを痛感した。チームの足並みをそろえるべく池田が意識したのは、個性と協調性の共存だ。学年の垣根を越えて積極的に交流を図ることで、一人一人の個性を存分に発揮できる環境を整えた。

円陣を組む選手たち

一方、部員との面談を通して時にはチームのために自分を犠牲にすることの必要性を訴え続けた。全ては所属して良かったと思えるチームを作るため。時間をかけて寄り添い、個々人に合った最も良いアプローチ方法を模索した。池田の取り組みはチーム全体に影響を与える。昨年度に比べて自主練習を行う人数が増え、練習内容の質も向上。さらにオフの日には試合結果を分析して戦術を磨く。ピッチ内外問わず、部員のサッカーに懸ける思いを強めた。

「歴史も浅く大きな成果は残せていないが、いつか立教を代表する体育会の部になりたい」。女子チームの未来を創るため、飽くなき向上心を胸に、これからも彼女たちは挑戦を続ける。

笑顔で集合写真に応じる選手?コーチ陣

「立教スポーツ」編集部から
立教大学体育会の「いま」を特集するこのコーナーでは、普段「立教スポーツ」紙面ではあまり取り上げる機会のない各部の裏側や、選手個人に対するインタビューなどを記者が紹介していきます。「立教スポーツ」編集部のWebサイトでは、各部の戦評や選手?チームへの取材記事など、さまざまな情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

writing/「立教スポーツ」編集部
法学部法学科3年次 鈴木麻里奈

CATEGORY

このカテゴリの他の記事を見る

アスリート&スポーツ

2025/03/10

山岳部が遠征隊に参加。学生だけで標高6524m、ヒマラヤの未...

体育会山岳部 中沢 将大さん、横道 文哉さん

お使いのブラウザ「Internet Explorer」は閲覧推奨環境ではありません。
ウェブサイトが正しく表示されない、動作しない等の現象が起こる場合がありますのであらかじめご了承ください。
ChromeまたはEdgeブラウザのご利用をおすすめいたします。